ドルビーデジタル・DTSサラウンド

音声規格の種類と解説

 サラウンド音声、マルチチャンネル音声、これらの単語はほぼ同義である。一般に映像作品に採用される音声信号を表す。映画であればセリフのほかに効果音、環境音、音楽など、様々の音声が必要である。

 映画作品の中にはシーンごとにたくさんの音声が記録されており、1つの音声を1トラックとするならば、1シーンについて何百以上のトラックを録音している。これらの音声を配置する作業をレンダリングという。音の方向などや演出に沿って、音楽や環境音、セリフの位置を決める。

 レンダリング作業のあとは、録音された音声を合わせるミックス作業をします。その際には劇場で再生すること意図して、鳴らすスピーカーを振り分ける必要があります。一般に現在の映画館の基本は7.1チャンネルサラウンドに対応しているところがほぼ標準。スピーカー配置は左、中央、右、低音専用、左後ろ、右後ろ、左真後ろ、右真後ろ、というものです。限られた数のスピーカーから音を出すために所定のスピーカーから鳴るように調整する。

 古くはスピーカーが一つのモノーラル、左と右の2チャンネルからなるステレオから始まっています。映画の製作者の意図を反映させるために、そのスピーカーの数は増えてきました。80年代に左右と左右の後ろで4チャンネル(ドルビーサラウンド)90年代には基本となる5.1チャンネルに進化し、1999年に公開されたスターウォーズ EP1では6.1チャンネルが採用され、真後ろまで表現が拡大した。 

 これらの音声はそのままの状態では、データ量が大きすぎるため、フィルムに音声情報を記録するためにデータ量を小さくする(圧縮)が必要となる。しかし、単純にデータ量を調整すると、音質を犠牲にしてしまうため、音質とデータ量のバランスを取るために、あらゆるフォーマット(形式、仕組み)がある。古くから音響を手がける会社として有名なドルビーラボラトリーズ、1993年に初めて映画館で音声が採用された、DTS社の2社が主に手がけている。

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DOLBY DIGITAL ドルビーデジタル

会社名:ドルビーラボラトリーズ
採用作品:1992年 バットマン・リターンズ


・基本的に5.1チャンネルサラウンドというとこれを指すことが多い。
・モノーラルから最大5.1チャンネルまで扱える。カセットテープを使われていた方であれば、ドルビーは聞いたことがあるだろう。ドルビーNR(ノイズリダクション)の技術で有名。
・初期のドルビーサラウンドは左右と左右後ろの音声を使った4chの音響フォーマットである。それが発展して、6つのスピーカーを使った5.1チャンネルに進化した。ドルビーサラウンドの際は、左右後ろの音声はモノーラルであったが、ドルビーデジタルになってからは、後方chもステレオ化され、全てのチャンネルが独立したことにより、より立体感を感じられる音になった。

種類と特長

DVDにおいては、必須の音声フォーマット
圧縮率は元の音声の1/10程度
のちに説明するDTSの方が音が良いとされるが、タイトルによっては非常に拮抗しているか、よく聞こえるものもある。
例:プレデター アルティメットエディション(DVD)

ドルビーデジタルプラス

・モノーラルから7.1チャンネルを扱える
・Windows10に標準採用
・動画配信においても最大7.1チャンネルサポート
・配信におけるドルビーアトモスもサポート
・ビットレートなどはドルビーデシタルと同様であるが、圧縮効率が改善された

ドルビーTrue HD

最大7.1チャンネルをサポートする、実際のデータに復元できるという可逆圧縮(ロスレス)技術を採用しており、格納する際はデータ量が節約できるが、実際の再生時には元々(マスターで編集された音声)を完全に再生できるとされている。後に登場するドルビーアトモスでは、データの格納にこのフォーマットが使われている。

DTS

会社名:デジタル・シアター・システム⇒DTS
採用作品:1993年 ジュラシック・パーク

前年には、バットマンでドルビーデジタルが登場したので、1年遅れではあるが大作での採用となった。真後ろのスピーカーが追加された6.1チャンネルのDTS-ES(エクステンデットサラウンド)もある。

ドルビーデジタルを超えるというコンセプトで作られたため、圧縮率は1/4程度であり、転送レート(1秒間に送出されるデータ量)が多い、根本的なスペック面では、ドルビーデジタルを凌駕しているが、フィルムに焼き付けることはできず、別のCD-ROMに音声データをいれて同期させる必要がある。劇場では、別のシステムを導入する必要があった。モノーラルから最大7.1チャンネルをサポートする。

DVD時代には、オプションフォーマットという形の扱いだったため、採用タイトルは限られており、ドルビーデジタルが必須だったため、音声にデータ量が取られ画質が落ちてしまうという弊害もあった。

2006年にブルーレイが登場すると、オプションフォーマットという扱いではなくなったため、タイトル毎に音声フォーマットが選べるようになった。それと同時に非可逆圧縮だけでなく、実際のデータに復元できるという可逆圧縮(ロスレス)技術を持ったDTS-HDという規格が登場した。

種類と特長

DTS

最大5.1チャンネルをサポートする 基本となる規格(コアシステム)

DTS-ES(エクステンッデッドサラウンド)

最大6.1チャンネルをサポートする、真後ろのチャンネルが独立して収録されるディスクリートと左右後ろのチャンネルをミックスして出力するマトリクスという2種類があり、ディスクリートは少ない。

DTS-HD

・マスターオーディオ
最大7.1チャンネルをサポートする、上記で紹介したとおり、実際のデータに復元できるという可逆圧縮(ロスレス)技術を採用しており、格納する際はデータ量が節約できるが、実際の再生時には元々(マスターで編集された音声)を完全に再生できるとされている。

・ハイレゾリューションオーディオ
最大7.1チャンネルをサポートするが、DTSと同じ圧縮型であるが、圧縮効率の改善を図り、同じデータ量なら音質は向上している。

ドルビーアトモス、dts:xは別の記事を参照ください

https://build-good-sound.com/home-theater/atmos-dtsx/
家庭内における5.1ch配置例
配置例②