【レビュー】IER-M9

ソニー新時代のインナーイヤー

2018年に発表された、新しいソニーのステレオヘッドホン(インナーイヤーレシーバー)を今になってであるが、購入した。その前はXBA-H3という低音に重きを置いたシリーズを使用していたが、自身の外耳炎の悪化などがあり、遠ざかっていた。その間はIPhoneの純正をEQをこねくり回して使っていたが、さすがにウォークマンWM-1Aには不釣り合いだったのと、外で音楽を聴いてて、非常にストレスが溜まってしまったのです。”我慢、我慢と言ってきたのにすまないが、もーー我慢できん”となってしまったのです。

最近では、カスタムイヤホンを個人で作れる環境も整っているし、この製品の価格からすれば、それも充分にできる。しかしながら現行のモデルを試聴し、音質と装着感、遮音性がよかったこの機種に決めることとした。

前提として私はソニーが好きである・・・

公式での紹介とスペック

この製品のジャンルとしては、ステージモニタを意識し、一般リスニング用ではないとされているが、その製品コンセプトが音質を求める層にはかなり響いていくる。

今、ヘッドホンの世界で注目度急上昇中の「ステージモニター」。本来、アーティスト、ミュージシャンがステージ上で演奏時に装着したり、PAエンジニアがステージ音響を確認したりするためのものだが、プロが聴いている音への興味や、遮音性・装着性の高さなどから、一般の音楽ファンがこれをリスニング用に使うという流れが巻き起こり、人気ジャンルになってきている。そして2018年秋、ソニーが新開発のステージモニター『IER-M9』『IER-M7』でこの新市場に参入。

試聴時の比較

銀座ソニーストアにて試聴しました。静かな環境である、いろんなモデルを即座に聴けることがいいですね。最近では量販店ではガラスケースに入ってますので試聴するのも若干面倒なのです。

聴きどころ、ソース機器について

ソース機器:NW-WM1A(バランス試聴)
曲:ダイアナ・クレール LIVE IN PARIS グルーブ感、拍手のリアル感
半沢直樹 メインテーマ(ハイレゾ) ホーンの伸び
矢沢永吉 50%DREAM 全体的なバランス(音に癖がないか)

試聴したモデル

IER-M9
出てくる音が下位モデルと比較にならない、解像感やキレが抜群で付帯音がなくフラットバランス。Bアーマチュアであるが、低音はしっかり伸びる。高域もホーンの伸びと響きまでしっかり再現されている。M7から替えるとドンシャリか?と一瞬動揺したがそんなことはない。高域がしっかり伸びている。その証拠に半沢直樹のテーマのホーンの音が下位モデルと全く違うといっていいほどなのだ。
 音源の良し悪しまでわかってしまうので、音源は非圧縮かハイレゾのロスレスを用意したいところ。遮音性も高く、装着感はまるでカスタムイヤホンのようだ。

IER-M7
出てくる音が下位モデルとは違い余計な付帯音がない、フラットバランスを意識しているがやや低音が強く高域の伸びがなく、ホーンの響きがいまいちである。解像感はM9に比べるとやや劣る。価格差はM9の1/2コストパフォーマンスは高い。ただ7万円は少し高いかもしれないと思った。5万円台なら間違いなく買いだ。(でも自分は買わない)M9とは好みだけでは判断できない明確な差があることを報告しておこう。しっかり聞き比べてほしい。音源によってはこちらのほうが好ましい場合もあるが、M9を聞き込んだ後はやはり物足りなさが残る。綺麗にならすというよりはアタック感を重視している様子。ロック系と相性がよさそうだ。装着感はM9とほぼ同様、遮音性も高い

XBA-Z5
2014年発売と粉ラインナップの中では、最古参でダイナミックドライバーとBアーマチュアのハイブリッド構造である。M9と比べると明らかに音にキャラクターがついており、低音が強く、高域もややきらびやかなのだが、伸びがないため、やや不自然。実売6万円だが、その価値は全くといっていいほどない。

XBA-N3
新作のイヤホン、ダイナミックドライバーとBアーマチュアのハイブリッド構造である。Z5より解像感は高く、3万円台の値段からするとハイコストパフォーマンスだが、高域が少しやりすぎなくらいキャラクターがあるので、ソース機器のEQで調整する必要あり。

XBA-N1
N3よりも音が少し団子っぽく抜けが悪くなる印象だが、IPhone付属のものとは違う実力を見せてくれた。1万円前後という価格からすると、音つくりは素直。

まとめ

正直なところ、M7とM9はかなり迷ったが、明確な違いが感じられたので、M9を選択した、M7であれば、今頃後悔の念があったと思う。一番上位機種は基本的に予算外なので、候補に入っていないし、あえて聞かなかった。ハイブリッド型だとバランスをとるのが難しいだろうし、音の感じは何となく想像できた。
バランス接続用ケーブルも入っているし、イヤーピースの種類も多い。イヤーピースの選定は細かく行うことをお勧めする。つぶれれば高域が出ない。小さすぎて隙間ができれば低音が出ない。当たり前だがイヤピースマッチングは非常に大事である。ぜひM9をと言いたいところだが、イヤホンにいきなり10万以上は抵抗があれば、XBA-N3あたりから始めてほしい。通勤のストレスが自分は緩和された。福音をもたらしてくれるこのIER-M9に感謝したい。